Jun 4, 2019

Horse Racing/Racing Horse

続・ケイバ3.0

春の競馬 東京開催(関東)の終了

6月2日、競馬業界では、マイルの頂上決戦である安田記念を終えました。
「日本ダービー」「安田記念」と、一番人気が総崩れとなるものでした。

ダービー前日の東京競馬場

競馬は、屋外競であるためその天候などにも左右されます、また、複数で同じゴールを目指し同じタイミングでスタートします。どんなにその馬が強くても、当日、回避のしようのない事情も存在しています。進路が開けないことがあります、天候に恵まれないこともあります。
当日の外的要因は、予測することはできても、それがどのような影響を与えるのかまで、正確に予想することはできません。結果は後付けの結果論でしか語れないのかもしれません。

波乱の春競馬でしたが、印象に残ったこととしては、フェアな戦いをすることが最も勝利を導きやすいということです。
まさにこの直近の日本ダービーのダノンキングリー(牡3 美浦・萩原清)、安田記念のアエロリット(牡5 美浦・菊沢隆徳)に騎乗した戸崎圭太騎手(美浦・フリー)は、1着こそ逃してしまいましたが両馬2着、フェアな騎乗であったという印象が強く残っています。

勝者がいれば、他は敗者となりますが、たとえ敗者だとしても、表舞台だけでなくその表舞台に至るまでの過程においても、フェアに実直に努力を重ねてきた方々を評価し、それぞれに相応しい恩恵があることを願っています。


競馬業界はダービーが終わり、春のG1連続開催が終わり、既に新しい世代の頂上決戦となる新馬戦が始まっています。開催場も、首都圏、関西圏を一旦クローズして、地方都市開催に移るため、新たな風が吹き、新たな業界の流れや動きを掴む時期に差し掛かっています。


地域巡業の季節

6月末から、競馬の開催競馬場も首都圏と関西圏を離れて、一旦それ以外の地方都市の競馬場での開催に移ります。

2018年4月末の東京競馬場

どれくらい前までのことなのかわかりませんが、地方都市開催が始まると、厩舎陣営は、競走馬とともに家財道具を持って数日間かけて開催地へ移動したそうです。季節巡業です。
現在は、陸路、海路、空路、ともに整備されていて、移動時間が短縮され、移動コストも最小限に留めることができますので、巡業という大がかりなものではなく、長期出張という感覚になっているのかもしれません。

いずれにしても、超短期での特需市場を形成します。競馬開催にはそんな役割があるのだと考えるようにまりました。

個人的なお話になりますが、わたしは首都圏に在住で、中央競馬で一番近い競馬場は「東京(府中)競馬場」です。他場に比べて、グレードレースの開催が多いため、混雑を避けての土曜中心の往訪ですが、それでも開催の半分ほどの日程には参加しています。毎開催、たくさんの馬たちの成長する姿を間近で見られることを楽しみにしています。
地方都市では、首都圏や関西圏に比べると、大規模なイベントや多くのアトラクションを持つ商業施設は少なめです。競馬ファンにとっては、待ちに待った開催なのだと察することはできます。
近年のJRAの競馬絡みの施策は、競馬ファンのみならず若者や女性を中心に潜在顧客層を拡げ、老若男女問わず興味を持てるように、同時にいくつかのイベントを開催、近隣の全国紙(新聞)には、東京競馬場の来場を促す内容の広告も折り込まれています。
世間の潮流にうまく乗るように、少しずつイベントの中身を変え、この新聞の広告でアンケートを持参して来場してもらえるように、そのきっかけとなる入場無料券やプレゼント配布のおしらせなどの内容を盛り込んでいます。涙ぐましい努力です。常にいい意味で流動的に動いているといえます。


世代交代ではなく世代共存

2018年のナムラタイタン

新馬戦が始まり、若駒3歳馬によるPOG(ペーパー オーナー ゲーム)も始まっています。

2020年開催の日本ダービーなどのクラシック三冠には、3歳馬しか出走はできませんが、勝ち上がってきた競走馬には、また違う大舞台が用意されています。

そしてこの2019年6月始まりのシーズンから、4歳馬の賞金額1/2という制度も廃止されました。それにより、降格ということがなくなり、初年度に実績を積み上げた馬や厩舎が評価されるようになります。勝ち上がらなければ残れないという逆の意味でもあります。結果に忠実に努力、評価されるという「淘汰」という言葉に従ったものです。
また、賞金額の話も絡み、500万下、1000万下などのクラスではなく、3歳以上1勝クラス、2勝クラスと改名されました。競馬初心者にもより分かりやすいクラス分けになりました。

これは、3歳新馬の早期出走を助長する動きなど若駒ばかりが注目されがちな競馬から、これを古馬の残留に繋げ、継続すること、積み上げることを意識しながら、短命な競走馬育成をさせず中長期的な目線でも考える競走馬育成、同じように、厩舎など従業員の安定と定着を促進、そして、競馬業界全体を健全な形で運営することに重きを置くようになってきたと言える動きだと捉えることにしました。
彼ら組織の思惑はあっても、それさえもわたしたちの意識から変えていけば、自ずと道は開けていきます。

また、競馬産業を安定軌道に乗せるためには、固定ファンは必須です。彼らが競馬を支えています。
馬も、人(客、業界間関係者など)も新しい世代が毎年加わっていくことは当然の流れです。これは競馬の魅力でもあります。
何より、日本の競馬を支えてきたのは、世代を超えた名馬たちの存在です。
また、富国強兵から庶民の娯楽として支えてきたのは、老年者層です。彼らが長年にわたり競馬の収益を支えてくれたお陰で、今の競馬が存在しています。

競馬業界では、毎年のようにスターホースが現れます。そのスターホースの新たなファンは、競馬の新たな固定客に成り得るというポテンシャルがあります。オジュウチョウサンのような馬も、古馬として、着実に実績を積み上げて、スターホース(スーパーホース!)とまで言われるようになりました。これもファンに支えられている実例です。


競馬は、公営競技(公営ギャンブル)ではありますが、その枠を超えようとしています。その動きが見えます。
返還されるマネーではない、マネーを出してこそ、また、マネーに無縁だったとしても、あらゆる動機となる感動産業です。
そこから、競馬は競馬業界とファンが共に育てていくべきものだという姿が見えてきました。
世代交代より、世代共存であったり、秘密主義なのではなく、情報開示、提供、共有で、共に歩み、循環させていくことが経済社会を回すことにもつながります。


やっと競馬にわたしも近づけたように思います。距離は少しづつ、確実に、縮まっています。
競馬はこれからもっと楽しくなります。



Thanks.

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