January 23, 2020

Horse Racing

変則開催とドバイワールドカップデー予備登録の妙

駆け出した厩舎と競走馬の新しい希望

2019年の年末

今も記憶からおそらく消えることのない、2019年末の有馬記念。
ある1頭についての思いを持って、その出走を見守っていました。それは、リスグラシューです。

リスグラシューの引退前の最後の出走が決定していました。
有馬記念の前の出走で、彼女を優勝に導いた、ダミアン レーン騎手の短期機種免許取得によるその日限りの特別騎乗も共に決定していました。

ダミアンは、香港の沙田(シャティン)競馬場で行われたクイーンエリザベス2世C(芝2000)で着だった、オイシン マーフィー騎手から乗り替わり、宝塚記念(芝2000)で優勝、その後、彼の母国オーストラリアのメルボルンムーニーバレー競馬で行われたコックスプレート(芝2040)でも、見事に優勝、2019年末の有馬記念の優勝まで続きました。

海外で勝利することもそう容易くない中、成長を遂げてきたリスグラシューとダミアン レーン騎手、そして矢作厩舎陣営は、国境を越えた戦友、同志になりました。

リスグラシューの好走は、日本で突き抜けられなかった結果、世界に挑戦して、自信と実力をつけて実績を積み重ねたことにあります。
世界に挑戦したことで、持ち合わせたポテンシャルを最大限に発揮できたという一例だと思っています。

日本の競走馬馬は、日本の競馬場において、走りやすい馬場での競走が実現できています。
グレードレースや重賞レースが開催されると、たびたびタイムレコードが更新され、開催ごとに何らかの記録が塗り替えられたりしていますが、それは、環境や気候であったり、その土地に対する理解を深め、馬場づくりに余念がない主催者側の努力が積み重ねられた結果と言えるかもしれません。
そのレースに臨む側は、その競走馬にとって挑戦するフィールドが馬に合っているか、それを管理する調教師が理解しているか、厩舎や馬主が目指したい方向性と現実に乖離はないか。
全ての足並みが揃ったときに、たったひとつの勝利を手にすることができるのかもしれません。


2020年の年始

年末の有馬記念開催日の翌週に2歳新馬のG1であるホープフルSが開催されるという変則日程で年末の競走のローテンションに影響はあったようです。
ここで、再び、1月5日(日)からの2020年の開催スケジュールは、厩舎陣営の戦略的なスケジュールからリスケジュールを強いられたようなものだったはずです。

第一回、1日の1Rにはやはり波乱がありました。
「人気」≠「実力」ではありませんが、人気はそれなりの切実な人の思いでもあるので、無視するほどのただのギャンブルの指標ではありません。
2019年の勝率上位にいるジョッキーと、同年のリーディング上位二桁にいた調教師の鉄板のタッグの勝利と思われたのですが、1着はなく、複勝圏内をも逃してしまいました。
その数レース後、このジョッキーは、他の騎乗機会で立て直して勝利を上げています。
1月19日中央競馬開催終了時点で、既に2桁の勝利を上げていますが、その厩舎の勝利は、2020年の出走頭数が20頭を超えていますが、未だ1勝もありません。

綺麗に勝つことはできません。
また、窮地こそ機会だとも思っています。どこででもどんな競走馬でもその競走の舞台に立てば可能性はゼロではありません。

変則開催で、ジョッキーも交代で休暇を取得している時期なので、ここに力を注ぐ厩舎陣営も多くありました。
騎乗機会の少ない、実績の乏しい、成績が思わしくないジョッキーも、この年始開催で騎乗機会を得て好走していました。
ジョッキーの身元引受人となる厩舎で、その所属ジョッキーを騎乗させたり、未勝利戦、1勝クラスでは、若手などを騎乗させ、ジョッキーの育成にも力を注いでいます。

厩舎陣営、競走馬も同じで、とりわけトリッキーで、力勝負となる、心臓破りとまで言われる中山競馬場の4コーナーの後の上り坂を避けてなのか、ダート戦が多いからか、出走機会の減る厩舎もあります。
一方でダート戦の多い時期でもあるので、出走機会を虎視眈々と狙っていた厩舎、競走馬は少なくなかったのです。栗東在籍の厩舎の参戦も目立ち、勝ち鞍を上げていました。
綿密にローテーションを組み、運に恵まれ出走権を得てしまえば、あとは、日々の健全さが勝負です、一所懸命に走り切るだけです。

タイミングを掴んで、新たな希望や目標を持った厩舎陣営、馬主、ジョッキー、そして競走馬はいつも目の前にいます。
世間の風評にさらされることがあったとしても、自我を通して走り切ってほしいと思っています。

そしてドバイワールドカップ

3月28日(土曜)にアラブ首長国連邦ドバイのメイダン競馬場で行われるドバイワールドカップデー各レースに日本馬の予備登録行われ、JRAにより公表されました。

1月21日(火)時点 予備登録競走馬の一覧

このドバイワールドカップデーに、2019年のリーディング上位の某厩舎管理の競走馬の登録は一頭もありませんでした。

ドバイワールドカップが開催される日程は、3月28日(土)、日本時間の夜の予定。
出走の日程が重なる重賞以上のレースは以下です。

日 程 場 名 R 馬場/距離 レース名
3月28日 中山 11R 芝2500 日経賞[GⅡ]
3月28日 阪神 11R 芝1800 毎日杯【GⅢ】
3月29日 中京 11R 芝1200 高松宮記念【GⅠ】

また、この先に開催される各グレードレースの優先出走権がかかったレースが、このドバイワールドカップデーの付近、2月と3月に集中しています。


国内で勝負するか、海外のレースに挑戦するか、各厩舎や馬主の目指すものはそれぞれに違います、それぞれに目標が見え始めてきた時期です。
それぞれの戦略による妙が、翌年にも、またその翌年も、その厩舎に、その後継者に、その競走馬たちに脈々と流れる血のように次につながるだろうと、ハラハラしながらも、くすぐったい思いで見守っています。

新馬戦勝ちしたルフトシュトローム号

Thanks.

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