January 29, 2020

Horse Racing

中山第一回開催の終わりに

一重で変わること

毎日を淡々と続けること

中山競馬場に、連投の競走馬と同じように、ほぼ毎開催通い、見てきたものは、この後にも先にもない唯一の財産です。

中山の第一回開催は、1月5日(日)から始まる変則開催で、土日開催ではなく、日曜、月曜で始まる開催です。
年始の南関東競馬名物、川崎競馬からの延長上にあるような感覚もありました。

1月5日初日の開催は、金杯恒例の特払い(馬連の勝馬投票券の的中の金額に5パーセント上乗せ)や来場者プレゼントのある開催により、少々の混雑により始まりました。
リーディングのデータが2019年から2020年切り替わり、2020年リーディングのカウント0(ゼロ)からスタートの日で、足並みを揃えてスタートする日です。
レースはほぼ予定通り進みましたが、7R大塚海渡騎手の落馬負傷と進路妨げによる2日間の騎乗停止、騎乗していたラッキーアドバンスの予後不良(安楽死の措置)、三浦皇成騎手の落馬負傷をも招くレースとなり、波乱がありました。
また、東海テレビ杯東海S[G2]で優勝したエアアルマスの勝利の陰に、骨折、休養を余儀なくされたことも、騎乗について考えるきっかけになりました。

ほんの一瞬で、大きく変わってしまうのです。
一瞬の判断が、その先にある「未来」を塗り替えていきます。
競馬での第一線にいるプロフェッショナルたちは、鼻先の差で獲得賞金額や評価が大きく変わります。
勝敗は常にあるもので、そのレースに集中、勝つことへの直向きな姿勢は評価できますが、事故を起こしてしまったり、他者を巻き込んでしまうような騎乗はその評価をも打ち消してしまいます。
馬の気性や癖によるものではなく、騎手の騎乗技術やその走行方法によって起こってしまうことだったとしたら、その騎手や馬は孤独すぎるのだと思います。
会話をしてほしいです。自立していることとは別で、騎手や競走馬は、孤独で盲目であってはいけないと感じています。

騎手会としても、先輩が後輩を指導することを基軸にした指導を行う機会をもって、事故を起こさない騎乗を徹底してほしいです。
真の意味で騎手会も機能してほしい、それぞれが絆を深めてほしいと願っています。

若手の騎手であれば、身元引受となる所属厩舎があります。厩舎調教師は、競走馬だけでなく、所属騎手と会話をしているはずです。競走馬と同様、容易なことではありせんが、コミュニケーションを日々怠らず徹底してくことで、あるべき親密な関係を築いてほしいと思っています。

走り続けていると見えなくなることは沢山あります。
誰でも、窮地にあるとき、恰好が悪くて、素直になれないことはあります。
起こってしまったことは、後に繋がる飛躍のバネとなればいい、それでも苦しいときには、観客や、ファンの声を一身に浴びて、力に変えて欲しいです。
この思いは、騎手だけではなく、競馬業界の第一線にいる多くの関係者への気持ちです。


わたしの覚えている、この一年での競走馬のことを考えた勇断は2つ。
いずれも、外国人騎手の騎乗です。

2019年5月12日 東京競馬場 8R 青竜S[OP]出走のカフェクラウンに騎乗した、ダミアン レーン騎手。
レース騎乗中で前脚の異常を感じて無理な競走はさせず、ゴールまで導きました。
その後すぐに放牧に出され、適切な治療を施し、休養しています。

もうひとつは、2019年12月22日 中山競馬場 11R 有馬記念のスワーヴリチャードに騎乗した、オイシン マーフィー騎手。
彼も、ダミアンと同じで、騎乗中に異常を感じて無理な競馬をさせず、無事にゴールまで導きました。
競走馬としては登録を抹消することになりましたが、無事に種牡馬入りができることに決まりました。

こういった決断は、勇断という考えより、馬を通して、賞金を稼ぎ、ロマンを実現する立役者、同志に対しての感謝や敬愛の意思、ホースマンの基本姿勢だと考えています。

勝ちたいという思いは目に見える

今年、始まって、淡々とした美しい騎乗を何度となく目にしました。
目に焼き付けることができるのはその一瞬だけです。
写真の出来不出来の問題は別として、カメラのファインダーを通して写真として残せたものを掲載しています。


2020年中山金杯のクリスラルブラックと吉田豊騎手ゴール4馬身前 2020年中山金杯のクリスラルブラックと吉田豊騎手ゴール後

クリスタルブラック。

スカイグルーヴを差し切る一瞬の騎手たちのその表情を見ることができます。


川田将雅騎手は、1月26日(日)中山競馬場で行われたAJCC[GⅡ]でブラストワンピース号と優勝を獲得しました。
ブラストワンピースは有馬記念の優勝馬、GⅠ王者です。馬体も重厚でしなやかな筋肉のついた540kg前後で迫力はありますが、彼に宿る覇気がなぜか心地よく、うれしくなりました。
とても美しいゴール手前の勇姿でした。


2020年AJCCのブラストワンピースと川田将雅騎手

ステイフーリッシュを差し切ったブラストワンピースと川田騎手。


また、最後に、9歳でありながらJRA所属の競走馬としてその走りを全うし続けて、2015年有馬記念のゴールドシップの引退の有馬記念ように、白いその美しい馬体で、3コーナー辺りで捲くり、駆け抜けてくれたマイネルフロストに敬愛を込めて。
前述した、骨折しながらも、その脚でゴールまで駆け抜けてきた、ラッキーアドバンスにも同様に、敬愛を込めて。
どうか安らかに。
In Peace. Great thanks.



Thanks.

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