March 11, 2020

Horse Racing

無観客競馬と武豊の絶対値

前代未聞の最良の措置

2月29日/3月1日
無観客競馬の開催

JRA(日本中央競馬会)は、2月27日(木)11:00am、コロナウィルスの感染拡大の影響を考慮して、2月29日(土)からの無観客開催を決定、各メディアへ発表、ホームページで公表しました。
先行して南関東4競馬が無観客での開催を決定、決行しました。
国からの指針もあり、競馬のみならず、一般公開されている多くのイベントや興行を自粛する動きが見られました。

中央競馬の開催日当日は、開門を待つために列を連ねる姿が風物詩のようになっていましたが、その姿を見ることはありませんでした。
競馬開催日の競馬場の中には、競走馬、ジョッキー、厩舎陣営、馬主、メディアでの報道や映像の放映のため、最低限のプレス関係者などがいるのみで、その競馬中継の画面に一般の観客らしい姿もありませんでした。

競馬の開催レース自体には大きな変更はなく、つつがなく行われました。
3月1日(日)からは、4名の新人騎手のデビューもありました。
そのデビュー戦(阪神 1R) メイショウヒバリ号(牝3 栗東/本田優厩舎)で、国分恭介騎手騎乗のテイエムレビュー号(牝3 栗東/浜田多実雄厩舎)同着の1着を決めた泉谷楓真騎手は、鮮烈なデビューを飾りました。

氏名 所属厩舎
秋山 稔樹(アキヤマ トシキ) (美浦/蛯名利弘)
小林 脩斗(コバヤシ シュウト) (美浦/奥平雅士)
原 優介(ハラ ユウスケ) (美浦/武井 亮)
泉谷 楓真(イズミヤ フウマ) (栗東/本田 優)

2月29日には、四位洋文騎手の引退式、3月1日には、調教師の引退式や新人ジョッキーのデビュー戦など、それぞれの門出の日に競馬場に入場できない状況で、虚無感もありながら、自宅で競馬中継にて観戦するという形で落ち着き、見守りました。

普段の開催日に、競馬場を走り回ることがない分、開催日の複数競馬場で出走する全ての馬を見ることに専念しました。

東京と中山(関東首都圏)の開催がない夏競馬の開催日には、この数日同様に、全レースをテレビ中継で観戦していました。
夏の地方競馬場開催時期が早まったような感覚でした。

サウジカップの開催と出走

武豊騎手の絶対的なクオリティ

無観客競馬が開催された同日、海を渡った中東の地、サウジアラビアでは、2020年2月29日サウジカップ(キングアブドゥルアジーズ競馬場)が開催されました。
サウジカップは、2020年3月時点で開催が決定している国際招待レースの中では、優勝賞金が世界最高賞金額のレースで、サウジカップ(The Saudi Cup)【OP】dirt 1800m 賞金総額20,000,000米ドルなど、総額賞金が1,000,000米ドルを超えるレースが並びます。
全8レースで構成され、前半4レースは芝コースでのレースで、後半4レースはダートコースでのレースです。
前半の芝レースが終了すると、prayer、イスラム教の祈り、礼拝の時間となり、レースは中断します。
そして礼拝の時間が終わり、再びレースが再開されます。

この後半のレースの第二戦目、第6レース サンバサウジダービーカップ(The Samba Saudi Derby Cup)【3歳 dirt 1600m 左 現地時間 2月29日(土)19時10分 (日本時間 3月1日(日曜)1時10分)発走/賞金総額:800,000米ドル 1着賞金 480,000米ドル】でフルフラット号(牡3歳 栗東/森秀行厩舎)が一着入線、優勝を果たしました。
JRA公表の日本登録の競走馬の競走結果はこちらから。

この姿は、2011年3月26日にドバイで行われた、ドバイカップで優勝したビクトワールピサ号の勇姿を思い出します。ミルコ デムーロ騎手が日本の国旗を手にウィニングランを行った姿は衝撃波のような強い衝撃と印象を与えました。
このとき、日本はウィルスではなく、天災、東日本大震災に見舞われていました。

毎日を鍛錬で積み重ねて生きている競走馬と競馬業界に従事する方々の真価は問われ、必然として力を発揮することができます、それが競馬のルーティンと競馬の持つ力です。
災害時、目の前に差し出される助けの手ではありませんが、歓び、元気、明日に繋がる力や動機になりました。

武豊騎手が騎乗して勝ったことは、他の騎手が騎乗して勝つことにはないものも感じました。

前回のコラムで触れていますが、日本で騎手免許を取得し、日本競馬会に所属するジョッキーでありながら、日本での騎乗が激減した時期がありました。
それ以前からではありましたが、この時期から海外遠征をより積極的に行い、日本馬や、遠征先の馬や馬場など、あらゆる環境での騎乗を経験し、世界からオファーがある、唯一無二の日本人ジョッキーとして認識されるまでになりました。
2019年の凱旋門賞では、地元フランスの3歳牡馬(2019年10月6日) ソフトライト号に騎乗(初騎乗)、日本から参戦のフィエールマン号キセキ号ブラスとワンピース号に先着して6着、まずまずの成績を収めました。
武豊騎手は、日本のみならず、海外での騎乗を一定評価されています。確かな実績がそれを裏付けています。

どんなときでも気が付けば、武豊騎手が競馬の舞台にいます。日本に限らず、世界中のどこででもです。
多方面で活動し、ファンに対してのケアも忘れない姿に安心に近いような親近感もありますし、表に出すことのない弛まぬ努力あっての一瞬一瞬が見せる緊張感のある姿に、未知の世界観のようなものも感じます。
これが武豊騎手の底力です。
どんなところであってもその使命を全うしています。
馬に跨っているその姿からも、現在のナイト(騎士)と言っていいのかもしれません。


ゴールドスミス号に騎乗しパドックの周回をする武豊騎手

武豊騎手を見る度に、その視野は広がり、知らなかった世界を見せてくれます。
これからも変わらずに、ひっそりと応援していきたいと思います。



Thanks.

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