パドック時間
パドックでは馬と厩務員、調教師、騎手が揃い、馬主が見守ります。関係者が揃う必要不可欠な時間(機会)です。
パドックでは馬と厩務員、調教師、騎手が揃い、馬主が見守ります。関係者が揃う必要不可欠な時間(機会)です。
一周目、ターフを叩き蹴り上げる音は響き、剔られる芝は土とともに舞い、先を目指す後ろ姿に無事のゴールを願います。
ゴール前での激しい競り合いは鞭の音、馬場を蹴り上げる音が響きます。ただ、景色だけは、騎手の緊張感が伝わる呼吸も忘れるほどの刹那の集合体、無音の世界に見えてしまいます。
パドックの花は、色鮮やかに美しい姿で香りもほの香に、心を和ませてくれます。この花に和む馬の姿にも心洗われます。
人馬ともに、呼吸や歩様、心身の状態を整えて会話をしているかのような姿です。返し馬の美しさはこの営みにあるものです。
入線したときなのか、褒められたときなのか、優勝レイをかけられたときなのか、その馬が堂々と誇らしく見えたときが馬が勝利を知った瞬間なのかもしれません。
競走馬と騎手ではなく、一体となったひとつの生命体のように見える瞬間があります。彼らは一心同体の戦士です。
レースは相対での勝負です。それでも自分を個性として表現したいのは、人間も馬も同じです。それが絶対値競馬です。
勝つ自信と誇り、お互いを尊重した信頼関係があります。一期一会の勝敗を知り、勝負どころで勝ち切れる強さは健在でした。
馬の投げかける目線に気づきます。馬が考え、なにかを思うなら、それを知りたいです。馬本位に近いところです。
前肢を揃えて障害物を飛越し、平地では手前も変えながら襲歩する、歩法を複雑にコントロールします。技術や技量が問われ、全頭の完走が求められます。敬愛。
ほどよい緊張感と安心感の混在する関係を保つのは難しいことです。パドックでは馬と厩務員の信頼関係を垣間見ることができます。