Z世代
東の横山武史騎手、菅原明良騎手
横山武史騎手
横山武史騎手(美浦・鈴木伸尋)の2022年2月13日時点での2022年騎乗成績は、92戦19勝、勝率0.207連対率0.370、3着内率0.457、2022年の獲得賞金は、279,552,000円。デビュー6年目で通算319勝。
この時点でのリーディング4位です。
前後の3位は、岩田望来騎手(栗東・藤原英昭)の124戦20勝。5位は、松山弘平騎手(栗東・フリー)の143戦19勝。
そしてリーディングトップの川田将雅騎手(栗東・フリー)は、92戦26勝。2位のクリストフ・パトリス・ルメール騎手(栗東・フリー)は、97戦25勝。
着眼点としては、騎乗数です。
分母である騎乗数が、リーディング1位と2位の川田騎手とルメール騎手と近い騎乗数で推移しています。
武史騎手は、年末の油断騎乗と判定された騎乗に対する騎乗停止のペナルティにより、年始の2日間空白がありますので、1日平均騎乗数は8鞍で、極限でのコントロールが続いています。
騎乗する競走馬は、G1タイトルを5つ獲得する前後とは変わり、美浦所属ながら、栗東所属馬の騎乗もまばらに見られます。
良血馬や有力馬主からの依頼と由縁ある馬主や厩舎、所属厩舎の依頼とのプライオリティーのせめぎ合いがあるようです。
レースが始まると、騎乗に集中し、スタートの潔さで決めて、馬のポテンシャルを探るように折り合いをつけます。
ひとつでも上の着順を目指して、入線するまで追い続けることは止めず、ゴールを突き抜けます。
ファンを納得させるレースを見せてくれます。
菅原明良騎手
菅原明良騎手(美浦・高木 登)もまた、着実に力をつけていて、騎乗依頼も右肩上がりです。
年始の重賞制覇も成し遂げた、Z世代を代表する騎手の一人です。
こちらも2022年2月13日時点で、96戦10勝、勝率0.104、連対率0.188、3着内率0.323、2022年の獲得賞金は、235,622,000円。デビュー4年目で通算146勝。
若手騎手の登竜門、ヤングジョッキーシリーズでは、2021年の総合で2位(55pt)。同シリーズ、2020年の総合で4位(49pt)。
明良騎手は、デビュー以来、大きなスランプなどの波はありません。
騎乗馬を人気以上の着順で持っていける、抜かりのない騎乗で好走を続けています。
重賞での騎乗機会も掴み取り、人気馬の騎乗も、プレッシャーに押し潰されることなく、堅実に上位に押し上げてきました。
明良騎手の強みは、競り負ける隙を見せない率直な粘り強さです。
ゴール前の強さが目立ちます。
同年代の先輩である武史騎手とのレースでのゴール前の競り合いも何度かありますが、明良騎手が競り勝つレースが印象深く残っています。
(参考:2021年12月19日(日) 中山3R ブルトンクール号 、2021年2月12日 東京8R ローズボウル号)
その陰には、ご家族の支えがあります。
確認できる範囲ですが、中山開催での騎乗では、毎開催ご家族がターフの近くで応援する姿を目にしています(コロナ禍での開催では不明)。
本人のみならず、ご家族がいつもどこかで支えてくれているという強みは、他ならぬ、明良騎手が心得ているのだと思います。
23歳の経験値
Ayumu Hirano
Z世代で言う、タイムリーなアスリートに平野歩夢選手(プロスノーボーダー/プロスケーター)がいます。
歩夢選手もまた、武史騎手と同じ23歳だということに興奮してしまいました。
北京五輪のスノーボード・ハーフパイプでの金メダル獲得に、五輪史上初のトリプルコーク1440(縦3回転・横4回転)成功に、歓喜しました。
Z世代のトップアスリートたちは、想像を超えるものを見せてくれました。
彼らは、自らと向き合うことに長けているのかもしれません。
外的要因で簡単に揺らがない絶対値です。
東日本大震災、リーマンショック、そして新型コロナウィルスの台頭など、激しい社会変化の中であっても、それよりも自分の目の前にある今の自分と向き合うことが、彼らアスリートに求められる現実で、結果に直結します。
アスリートとして彼らが目指す高みは、他者に求めるものではなく、常に自分で掴み獲り、自分に求めるものです。
また、Z世代の大半は、この外的要因がもたらす社会変化のバイアスが強い出来事を、感受性豊かな10代20代で経験しています。
大局が自分でコントロールできないものに影響されているときでも、自制し、自分と向き合う強さを内側(自分自身)に培ってきました。
これらを掛け合わせて考えると、Z世代のトップアスリートたちは、想像以上に剛健です。
「今」を生きることの尊さを、彼らが感動というカタチで伝えてくれています。
この先の可能性しか見えない、2022年の競馬も、目にしたことがない才能と感動が、開花し、拡がっていくことが楽しみです。
Thanks.