ウロコインコの求心力

陽気なインコ

おおまかな特徴と種類


ウロコインコは、魚のウロコような一枚一枚の羽色が美しい、カラフルな毛色を持つインコです。
オカメインコのように「インコ」の名称ながらのオウム科の鳥ではなく、歴としたインコ科の鳥です。原産はメキシコなどの南米です。
体長:約25cm、体重:約65g~80g 中型インコに分類されます。寿命は約10~15年、飼育下によって異なりますが、30年生きた例も報告されているそうです。



生後約1カ月のウロコインコ シナモンです。


ウロコインコのシナモン
毛種 実際の色 内容 参考
ノーマル(原種) 腹部・胸部:灰色でウロコ模様くっきり、脚の付け根はやや赤い 翼部:緑 頭部:黒 頬:緑 尾:赤 爪・脚・くちばし:黒 ノーマルのウロコインコは、ホオミドリウロコインコ、ホオミドリアカウロコインコと呼ばれます。頭とくちばし、脚、爪が黒。「ホオミドリアカオウロコインコ」という名前の通り、頬が緑で体は全体的に緑。尾は赤です。胸には割とクッキリとウロコ柄があり、お腹部分はやや赤い。原生林にカモフラージュもできそうなエキゾチックなオアシスカラーといった印象。 7万円~
ワキコガネ 腹部・胸部:薄めの灰色と赤ー脚の付け根の赤に続く、脇部:黄色 翼部:緑 頭部:黒 頬:緑 尾:赤 爪・脚・くちばし:薄桃木肌色 その名の通り、脇部分が黄金色のウロコインコ。イエローサイド。ノーマルよりも黒が若干薄めなのは黒い色素がないからです。ホオミドリアカオウロコインコの色違いキョウダイのような毛種。翼を広げると見える脇の黄色が何とも言えず美しくも愛らしい姿。ザ・南米カラーのような陽気そのものの配色。 8万円~
シナモン 腹部・胸部:薄木肌色ー脚の付け根の赤 翼部:黄緑 頭部:薄木肌色 頬:薄桃木肌色 爪・脚・くちばし:薄桃木肌色 ノーマルから黒い色素が抜けた色変わり。くちばしと脚、爪は薄桃木肌色。頭部も薄い木肌色。胸のウロコ柄もノーマルと比べるとだいぶ薄い。脇は薄っすら黄色いお腹部分は赤い。ペールトーンが毛色の面積比を多く占める。全体として柔らかなやさしい印象の毛色。 8.5万円~
パイナップル 腹部・胸部:黄色、薄木肌色ー脚の付け根の赤 翼部:黄緑 頭部:薄木肌色 頬:薄桃木肌色 爪・脚・くちばし:薄桃木肌色 シナモンに比べて脇や胸、お腹の黄色や赤が鮮やかでくっきりはっきり発色しているのが特徴。ちなみにパイナップルはワキコガネとシナモンの交配から生まれる毛色。 8.5万円~
ブルー 腹部・胸部:白灰色でウロコ模様くっきり、脚の付け根はやや赤い 翼部:ターコイズブルー 頭部:黒 頬:ターコイズブルー 尾:灰色 爪・脚・くちばし:黒 翼や背中、頬などが全体的に青みがかった緑色で、基本ノーマルからの突然変異による色変わりと思われる。ノーマルからの色変わりの為、くちばしと脚、爪は黒っぽい。尾羽はグレー。突然変異で生まれる原種なので希少であり、当然、インコには関係ない市場取引価格も高騰。 10万円~
ダイリュート(アメリカンダイリュート) ダイリュート(dilute)は「薄める(色が)、薄い」の意味。つまりノーマルの色が薄くなった品種ということ。背中や翼が黄緑っぽく、頭やくちばし、脚もノーマルよりは薄い黒。 8万円~
ミント ブルー(ターコイズ)にダイリュートが乗ったもの。色の濃淡は個体差があるが、胸元は白っぽく、背や翼は薄い黄緑?頭やくちばしや爪は黒っぽい。 10万円~
サンチーク パイナップルにダイリュートが乗ったもの。背中や翼は鮮やかな黄色。頬も黄色。お腹は赤が占める面積が広く、顔まで広がっている。頭やくちばし、脚、爪は白っぽい。 --万円~
ムーンチーク ブルーパイナップルにダイリュートが乗ったもの。ブルー×ダイリュートのミントによく似ているが、ミントに比べて薄く淡い色合い。くちばしも爪も白っぽい。 --万円~

本質的な優れた能力

そしてこの毛種による市場価格の昇順はノーマルから並びます。


この毛種も彼らの優れた能力の一部になる、処世術のようなものだと思っています。


「ノーマル」は、遺伝子における基盤でもあることから絶対数も自然界では一番多い。
「ワキコガネ」「シナモン」は、両者カラフルで様々な交配から誕生、優秀な安定株みたいなもの。
「パイナップル」は、色とりどりのビビッドカラーで、気性にもマッチ、トータルの評価として好まれやすい。
「ブルー」は、人間のスキンカラーにはない神秘的なカラーとして、趣向性の強い配色としても好まれやすい。


ウロコインコは、中型(小型)インコに分類されながらも、大型インコのように仕草が巧みで愛らしさいっぱいの行動で人間の気を引きます。


例えば、鳥かごの天井に片足でぶら下がったり、羽ばたくでもなく、枝などの足場となる場所への10数センチの距離はぴょこんと跳ねて渡ります。
バランス感覚に優れているようで、脚の握力がある程度あれば、落っこちることも殆どありません。


食事の際も、彼らにとって少々大き目のひまわりの種などは片脚で掴んで、くちばしでバリバリと割って器用に中身を食べます。脚を人間の手のように使うことができます。


飛行能力にも優れていて、その飛翔距離と旋回力、スピード、空間能力は絶妙で、限られた狭い空間でその飛行能力を発揮します。
飛行コースを瞬時に描くことができるのか、壁にぶつかることもなく狭い空間を縫う針のように滑翔、着地もスピードを落とすことなくピタリと決めることができます。
ときにはふわりと帆翔することもあります。



求心力のある家族としての存在

我が家では、ウロコインコが自宅の家族として家族の大黒柱であるかのように人間関係を繋いでくれています。
人間だけでは危うい関係、距離感が複雑になっている家族を支えてくれています。


彼らは人間社会で基本的には限られた空間の中で生活をしますが、それでも自分本位に元気いっぱいに動き、地鳴き、さえずり、発声し、たくさんの種子や果実、野菜にペレットなどを食べ、微睡む時間も、いわゆる夜の睡眠もしっかり摂ります。


羨ましいまでの素直に生きる姿に、わたしたち人間にはない固有の個体差にもみられるその仕草や独特の存在感、生活する姿そのものに、遺伝子に刻まれた無意識なのか、憧れや共感にも近いような感覚にも似た、本能的に心惹かれるのかもしれません。


わたしたち人間の目線では、動物を擁護しているのですが、彼らはわたしたちに目に見えない意識のシャワーを出して、彼らがわたしたちに癒しを与えています。
そして、癒しという捉え方を超えて、家族といった、一人称に近い存在にまでなりました。


動物たちも人間と同じように進化しますが、あるべき本能を失わず生きていながらも、人間社会にも適応していく彼らの姿は、まさに、わたしたちの先を行く、「先生」でもあり、進化系の姿なのかもしれません。
彼らは白亜紀などの恐竜の時代を生き抜いて進化した生物でもあるので、割と確度の高い考えになっていくかもしれません。


ウロコインコの求心力は、愛らしいではなく、人間社会の基礎にある家族構成や生物の進化の話に至るぐらい、破壊的かつ構築的な影響力を持つようになったのかもしれません。



Thanks.